冬の夜空はなぜきれいにみえるのか?
1.気温が低く乾燥しているため、空気中の水分による乱反射が少ない
2.日没が早いため、そもそもの夜空がほかの季節より暗い
3.冬は明るい星が多い
はい、全部正解です。さらにいうなら気温の低さゆえのピリリとした皮膚感覚などの心理的な影響もあるでしょう。
11月に入って夜空はすっかり冬らしくなりました。そんな冬の夜空をみると、娘とすごした最後の夜を思い出します。
真冬の1月に臨月の死産で産まれてきたボクたちの娘。そのお葬式の前夜に、ボクたちは娘を病院から自宅に連れ帰ってやることができました。3人ですごした最後の夜。
娘のために買った絵本を読み聞かせ、
娘のために買ったおもちゃで遊び、
娘のために買ったベットに寝かせ、
いっしょにおふろに入り、おむつを替え、子守唄をうたいました。
奥さんは娘の似顔絵をていねいにスケッチしていました。
そしてベランダでいっしょに夜空をみました。寒くないように、あたたかいおくるみに包んで。よく晴れて澄んだ冬の夜空は星がとてもきれいでした。でも明日にはこの娘はあそこに行ってしまうんだと思うと、涙が止まりませんでした。
悲しいことは思い出したくないという人もいるでしょう。あの痛みを思い出すのが怖いと。
でもボクたちにはあの痛みを忘れることのほうがよほど怖い。
あの娘にかかわるすべてのこと、しあわせだったことも不安だったことも悲しかったことも、すべてすべて覚えていてやりたいのです。
月日が流れて、日常のあわただしさに追われて、いつかあの娘の弟妹が産まれたとしても、冬の夜空を見ればいつでも、娘と過ごしたあのしあわせな夜を思い出し涙をながすことができる、いつまでもそうあってほしいと思います。
次回は不妊治療記「16.ピックアップ障害」です