2度目の流産の後、ボクたちは医師から不育症の可能性を示唆されます*。
そんなわけで自分たちでもいろいろ情報収集をしていったわけですが、不育症に関しては厚生労働省研究班の「Fuiku-Labo」が簡潔にまとまっていてとてもわかりやすい。しかもお上(厚生労働省)お墨付きだから情報の信頼性も高い。というわけで本編でも結構ここの情報をよく参考にしています。
その中で個人的にとても興味深いデータが。
不育症の治療成績(妊娠成功率**)
無治療:41.9%
カウンセリング:71.6%
つまり「カウンセリングを受けると妊娠成功率があがる、しかも結構あがる」。
医療分野におけるカウンセリングっていわゆる「ストレスの軽減」のために行うことと考えられます。というわけで前文をざっくりと言い換えれば
「ストレス軽減すると流産・死産しにくくなるよ」
ん~なんだか意外なような…でも当たり前のような…
ストレスが悪者であるのはわかる。なんか原因不明の体調不良が結局「ストレスでしょう」で片づけられてしまうこともある。
でもなんというか、妊娠成功率下がっちゃいますまで悪さするとはボクは思ってもいませんでした。そこまで悪い子だったのかお前は。
ストレスの軽減、まぁカウンセリングでもカラオケでもドカ食いでもいいけど、それって所詮は気分的なものというか、少なくとも身体には直接関係ないものだと思ってました。「ストレスでしょう」も結局原因がわからなかった医者の言い訳だろうと思ってました(ごめんなさい)。
でもよく考えてみたらストレスが重なってひどくなると、鬱病だとかのいわゆる気分障害と呼ばれる病気になる。例えば鬱病のメカニズムはまだ解明されていませんが、セロトニンだとかアドレナリンだとかの神経伝達物質に作用するお薬が治療薬として使われているのは事実。つまりミクロなレベルでやっぱり身体の中でなにかの異常が起こっているということ。気分の変化は体調の変化であるということ。
そう考えればストレス溜まって気分が落ち込んだりすると、何かしらお腹の子供に必要な神経伝達物質だとかホルモンだとかに異常が出たりするのかもしれない。結果、流産死産しやすくなるのかもしれない。あ、もちろんただの想像ですよ。
いやしかし、そうなると
ボクの中で“不妊不育患者が言われて腹立つ言葉トップ20”に入るであろう言葉
「そんなに悩んでたら、できるもんもできないよ」
というのはまんざらウソでもないことになってしまうのではないか?
むむむ、そうなのか。論理展開的にはそうなってしまうか。
まぁいいさ。心無い言葉であることは事実なのだから立派にトップ20入りだ。殿堂入りに向けて勝手にがんばれ。
というわけなので結論
「ストレス溜めないようにしようね」
なんかこんなに文字数使って言うことだったんだろうか(◎_◎;)・・・
*ちなみに今回の話はあくまで不育症に関する研究から引用したデータです。不妊症に対するカウンセリングの治療成績などは残念ながら資料が見つかっていません。
*「31.不育症」
**「妊娠成功率」という用語の定義ははっきりわかりませんが不育症研究で高名な青木産婦人科クリニックHPでは「出産成功率」と言い換えられています。青木先生はストレスと不育症の関係について数多くの論文を執筆されているそうです。
次回は不妊治療記「35.プロテインS欠乏症」です