不妊治療とAIのつづき

 

前回のつづき

 

毎日何万人もの患者をみる超働き者、しかも世界中の論文や医学書を読み漁る超勉強家。

 

それがDr.AI。

 

しかも、ヤツのすごいところはそれだけではないのです。

Dr.AIはしょせん機械です。コンピュータのソフトです。つきつめれば0と1のカタマリです。

 

だからDr.AIは簡単に複製できる。

 

経験豊富な名医は全国にそう多くはいませんが、莫大な知識と経験を持ったDr.AIはいくつでも作ることができます。世界中どこにいたってDr.AIの診察を受けることができる。なんならスマホアプリみたいにインターネット経由でどこからでもダウンロードすることだってできる。わざわざ都市部の名医に診てもらうために新幹線に乗る必要なんてもうなくなります。これは不妊治療医の少ない地方の患者さんたちには本当に朗報になるでしょう。

 

 

おいおい、じゃあ不妊治療医はもういらなくなるってか!

 

いやいや、不妊治療のすべてをAIがこなせるわけではありません。

たとえば内診採卵移植。こういった「技術」が必要なことをAIあるいはロボットが担うようになるのはまだまだ時間がかかると思われます。

だから副次的なことではあるけれど、「治療方針の決定」をAIがやってくれるようになると、医師はその分、採卵や移植といった「技術」を磨くことに集中できる。不妊治療医の「技術」は今より速いスピードで進化していくことができます。

Dr.AIは頭脳を磨く。人間は技術を磨く。相乗効果。Win-Win。

 

副々次的なことまで考えてみると(しつこい?)、AIの普及によって全国どこの病院でも同じ診断、同じ治療が受けられるようになっていき、病院間での格差がなくなっていく。病院は「ベテランの専門医がいます!」「ウチは治療成績、全国平均より高いです!」なんてことをウリにできなくなるので、顧客(患者)サービスにもっと力を入れるようになる。体外受精、顕微授精などの自費診療の価格が下がり、休日、夜間診療OKの病院が増える。

そして不妊治療はもっと受けやすいものになって、患者が増加しさらにコストダウン化。保険診療として認められるのも夢ではなくなってくる。

 

すげぇな!いいことづくめじゃねぇか!

いやいやしかし、うまい話にはウラがあるというぜ。

なにかウラがあるのでは…。

 

 

すみません、多分この話にはウラはありません。しかし限界はある、とボクは思います。

 

AIを不妊治療に使うことで、「最適な治療方法を選ぶ」ことは飛躍的に正確になっていくと思う。100%とはいかなくても限界まで治療成績を上げてくれると思う。ただしAIにできるのはあくまで「今ある治療方法」から選ぶこと。全く新しい、画期的な治療方法を考えてくれるわけではない。

 

要するに「泳いでる精子をピペットで吸って、直接卵子の中に入れたら受精するのでは?」なんて発想は人間じゃないとできないってこと。

 

AIが良い仕事をしてくれるようになれば、人間は人間にしかできないことにもっと集中できる。だから新しい治療法の開発だって今よりもっと進んでいくかもしれない。

人間には人間の、機械には機械の得意なことを。それが力を合わせるとより強大な力になって世界を変えていく。そんな未来がすぐそこまで来ている(表現がベタ)。

 

ていうかそんなに便利なんだったらさっさとDr.AI作っちゃいなYO!って感じですよね。でも残念ながらなかなか今すぐにというわけにはいかないんだそうです。

マスコミなどではあまり触れられないことだけど、医療情報ってとても複雑かつトップシークレット級の個人情報なので、データベース化するってもんのすごく大変でコストがかかることなのです。

まぁほかにもいろいろ問題はあって、なかなか一足飛びに実現するのは難しい。残念ながらボクやあなたがDr.AIの恩恵を受けるには間に合わないかもしれない。

 

でもいずれは間違いなく実現するとボクは思っています。

 

不妊に悩む患者たち。Dr.AIは世界中どこからでもその人に最適な治療法を教えてくれる。不妊治療医は技術を磨き、治療に関わる苦痛ももっと軽減されていく。そしてさらに画期的な治療法が開発され、不妊に悩む人はいずれどこにもいなくなる。望めば誰でもわが子を抱くことができるようになる。

 

そんな未来を空想してザワザワしちゃうのは理系男子の性というものか(ΦωΦ)。

 

 

今回のお話はボクがいろんなところから聞きかじったことに、さらに自分の推測を交えて書いていることなので信ぴょう性まるでありません(笑)。話半分に読んでくださいね。

 

 

 

次回は天使のはなし「09.変わってくこと」です