2016年10月12日のYOMIURI ONLINE。
不妊治療に対する助成や仕事との両立にむけた企業支援の枠組みを創設するとのこと。
ボクは不妊治療をはじめて以来、国会、地方議員選挙のときは不妊治療支援を公約とする人に投票するようにしてます。国家が、政府が不妊を社会問題としてみなしてくれることはボクたち不妊治療患者にはたいへんありがたいこと。心からそう思ってます。
不妊治療に対する助成。ボクたち夫婦ももう4回助成金をいただいています。感謝感謝。金額的には十分とはいえないが助かっています。
問題は企業支援うんぬんのくだり。
企業支援?
不妊治療休暇つくれとか?
不妊治療受けるんだったら遅刻早退OKにしなさいとか?
いや、あの…不妊治療してますって、そもそもあんまり言いたくないんですよ、周りには。
産休だとか育休だとかつわりがひどいんで休みますとか、そういうのとはちょっと違うんですよ…
不妊に悩む夫婦は全体の5~10組に1組だそう*。へー意外と多いんだ。一見そう思います。
でもね、それってたかだか10~20%ってこと。ほとんどの人は不妊に悩んだことなんてないんです。不妊治療がどのくらい大変か知らないんです。
不妊治療してますなんて、不妊に悩んだことのない人には言いたくない。
「あの人、こどもできないんだ」なんて思われたくない
「なにが原因なのかな?」なんて探られたくない
「○○が子作りにいいらしいよ」なんてデタラメ言われたくない
「こどもがいなくてもいいじゃない」なんて勝手に決められたくない
「不妊治療のために休むのか」なんて迷惑がられたくない
「必死だな、あの人」なんて絶対に思われたくない
企業支援。ありがたい。それで不妊治療をうけやすくなる人もいると思う。
でも大概の人は、「不妊治療するから休みください」なんて声高にいえない。「不妊治療するから私の仕事やっといてね」なんて頼めない。そんな人のほうがはるかに多いと思うのですが。。
もしボクが政治家さんたちにおねがいできるとしたら?
ボクたち、できるだけ人に知られたくないんです。職場に言いたくないんです。同僚に迷惑かけたくないんです。こっそり不妊治療受けたいんです。そのためにはぜひ
「不妊専門クリニックが増えるような政策」
をお願いしたい。
不妊外来、大学病院や総合病院で月金9時5時診療。そんなの普通に仕事してる人はまず受診できません。できても続けられません。そもそもまわりが妊婦さんだらけの産婦人科外来なんか行きたくありません。
やっぱり通える範囲、通える診療時間の専門クリニックがもっと必要。
例えば個人の不妊クリニックの開業を支援する。補助金や土地建物提供、税金優遇。夜間休日診療してたら保険診療分は保険点数を引き上げる。不妊治療医を増やすように医師会によびかける。
例えば夜間診療の公立不妊クリニックを設立する。施設は国や自治体が建てて、診療は都道府県内の不妊治療医の持ち回りにして。もちろん常勤医がいればなおよし。
そしてもちろんゆくゆくは不妊治療の保険適用。自己負担少なく、もっと気軽にもっと多くの人が不妊治療がうけれるように。
少子化対策にもなると思うんだけど。
ご賛同いただけたらぜひ清き一票を(笑)
*日本生殖医学会HP 「Q3. 不妊症の人はどのくらいいるのですか?」
次回は不妊治療記「10.不妊治療の決断」です