失って得られたもの ~「永い言い訳」と「光」~

 

最近観た映画で、すごくよかったなぁと思うものが2本あります。西川美和監督の「永い言い訳」と、河瀨直美監督の「光」です。

 

「永い言い訳」で本木雅弘さん演じる小説家は、愛情の覚めてしまった奥さんを事故で亡くします。

一方「光」では永瀬正敏さん演じる天才カメラマンが、カメラマンの命ともいえる視力(=光)を失っていきます。

 

大切にするべきだったものを失って苦しむ男。

何より大切だったものを失って苦しむ男。

 

2つの作品に共通するテーマは「喪失」でした。

 

在ったもの。

在るべきだったもの。

在るはずだったもの。

 

失うことは、とても苦しい。

 

それでも2つの作品は、その喪失を通じて得られたものを大切にしようとする心情、希望を描きます。

 

 

ボクたち夫婦が、あの子を失って得られたものは何だろうか。

ボクたちはお互いを前よりずっといたわり合うようになったし、家族や友人のありがたみを感じるようになった。そうは見えなくても、何かに苦しんでいる人がいることを知ったし、このブログみたいに人に打ち明けて共感してもらえることを嬉しいと思うようになった。そしてやっぱり子どもが欲しい、子どもを抱きたいと、前よりずっと強く思うようになった。

 

もちろんあの子以上に価値があるものなんてないけれど、それでもボクたちは、ボクたちなりに得られたものを大切にしたいと思いました。

 

 

それともう一つ感じたこと。

「光」の中で何度も出てくる、とても印象的なセリフがあります。

 

「目の前から消えていくものは、美しく見える」

 

うん、わかる。でもそれは多分、消えていくから美しいんじゃなくて、最初から美しいんだと思う。消えていくときに、人はやっとそれに気付くんだと思う。それなら消えていく前から、今在るものの美しさとか大切さとかにちゃんと気付くことができるように、感謝できるように。そうやって日々を過ごしていきたいなぁと思ったりします。

 

いろんなことを考えさせてくれる、とってもいい映画でした。みなさんもぜひ。

 

「永い言い訳」

 

「光」

 

 

次回は「父の日」です