不妊治療や流産、死産を経験すると例えば友人、同僚、親戚や、はたまた会ったこともない芸能人の妊娠出産ニュースにまで心がざわつくもの。ネットで拝見しているとこの心のざわつきに悩む奥さま方の投稿はとても多い。ボクの奥さんも幾度となくそんなことを経験してます*。
こういう感情、男性同士ではどうなのか?当然、同じようにざわつきます。
ではどんな時に心が一番ざわつくか。ボクの場合それは「職場の後輩の奥さんが妊娠した」という状況の時でした。
ボクは比較的職員の多い、またいろんな職種の人が行きかう職場で働いています。男性も女性も、年上も年下も、同業者も異業者も。
まず職場の女性が妊娠した場合。これは意外とそんなにざわつきません。「あぁよかったなぁ、この人のご主人もうれしいだろうな」てなもん。まぁ産まれても連れてはこないでねとは思うけど。
次に違う職種の男性、その奥さんが妊娠した場合。これもそうでもない。
年上の場合はわりと無条件に大丈夫。
問題は年下同職種の男性、すなわち自分が直接仕事を教えた後輩の奥さんが妊娠した場合。これが一番ざわつく。ボクは不妊治療中のこの5年間で何度も経験しました。
なぜざわつくのか。自己分析してみると…認めたくはないが…たぶんボクは後輩たちをちょっと「自分より劣った人たち」とみているのだと思います…。
ボクのほうが仕事できるのに
ボクのほうが頼りにされてるのに
ボクのほうが給料も高いのに
ボクのほうがスキルがあるのに
負けてることなんかないはずなのに
どうしてアイツにできてボクにできないんだ!?
…なんてゲスな考え方なんだ。自分でいやになる。おそらく人はこれを「嫉妬」とよぶ。
心理学なんかでよくいわれるようにボクら男性は無意識のうちに、相手より優位に立ちたいと思っている。狩猟時代の名残だとかなんとか。まぁ男性に限ったこととは思わないけど、その傾向が強いのは確かでしょう。
優位に立ちたい。つまりは競争して相手を打ち負かしたい。
ボクは後輩たちより基本的に優位に立っていると思う。同じ仕事をすればボクのほうが早く効果的な成果をあげられるだろう。後輩たちに負けることなんかないだろう。
そのボクは長く不妊治療にとりくんでいる。たくさん勉強して、お金も時間も使って、大変な苦痛や失望にも耐えて、とにかく必死にやっている。でも結局ボクには「こども」という成果はまだ得られていない。そしてその成果を自分より劣っていると思っている人たちが簡単に手にしてしまう…。
敗北感。
理不尽さ。
悔しさ。
惨めさ。
それらが混ざり合ってボクの心はざわつき、いつもいつも自分がいやになるような感情に襲われてしまうのです。
ところで、ここまでお読みいただいた奥さま方に、ボクはこう叱られるかもしれません。
「いや、あんた不妊治療を仕事かなんかと勘違いしてない?」
そうなのかな?どうなんだろう。。。
…ちょっと次回まで考えてみます(笑)。
「続。男の嫉妬」へつづく