次の日、ピッカピカの基礎体温計のタイマーでお目覚めの奥さんは、さっそく体温計を口にくわえて待つこと20秒。
ピピっ!
おー確かにかんたんに測れる。
こりゃいいや。
ていうか体温って、こんなにすぐ測れるものなのか?風邪ひいたときの体温計はいつまでたっても測り終わらんこともあるのに。
基礎体温計はなんかを省略して測ってるんだろうか?いや、基礎体温なんて0.何度とかで変わっていくもなのだから、それこそ精密に測れなければいかんのではないのか?
そもそも日によって朝寒い日とか、暑い日とか、お風呂入らず寝ちゃった日とか、夜中にフトン蹴っ飛ばした日とかあるのに、基礎体温には関係ないものなのか?
朝食を食べながら奥さんとともに数々のギモンについて議論するも、知らない者どうしで議論して正解がでるわけもなく、
まぁ、とりあえず測らんよりは測っといたほうがいいだろう。
というざっくりした結論に。
とはいえこの時のボクたちはまだ明るく、まるでこの基礎体温計がすべての問題を解決してくれるリーサルウェポンのように思い込んでいました。
基礎体温測る
→排卵日バッチリわかる
→その日は夜ちょっとがんばる
→おめでとう、ご懐妊です!
→かわいいベビちゃん
そんな未来を安直にイメージしてむふふとしていたのです。
まだボクたちは妊娠なんてかんたんにできるものなんて思っていました。
だって
ボクたちは二人とも健康だし
二人ともしっかり仕事をもった社会人だし
とりたて裕福ではないけど子供を養う余裕くらいあるし
あの人だってこの人だって妊娠できてるんだし
だから…ボクたちにできないわけないし。。。
しかし数か月が経過しても奥さんに妊娠の兆候はあらわれませんでした。
基礎体温もなんだかバラバラ。
期待してた排卵日予測も出たり出なかったり。
そのくせ、生理は毎月、きちんとやってくる…。
奥さんは時々測り忘れたり、ねぼけてエラーに気づかなかったりすることはあったけれど、毎朝がんばって測定を続けてくれていました。排卵日予測がでなくても、前の生理日から○○日後あたり!と自分たちなりに予測をたてて、その夜は少々眠くてもがんばりました。
がんばっていた分、それでもダメだったときの精神的なダメージは
少しずつ、少しずつ、
大きくなっていきました。
そうしてボクは、そろそろ次のステップを考えはじめていました。
「04.不妊クリニックを探す」へつづく