はじめて訪れた不妊クリニックは閑静な高級住宅街の中にあり、なんだか
「不妊治療ってお金かかんのね」
感を助長しているように見えました(思い込みか?)。
前回のブログでは
「俺、付き添うのにためらいなかったッス」
なんてカッコイイこと書いてしまってますが…、そりゃそれなりに緊張します。
だって婦人科!男子禁制の女の園!
きっと内装は花柄満載パステルピンク。待合には「VERY」とか「日経ウーマン」とか「女性自身」。トイレはもちろん座ってしてください!
あれこれ勝手な妄想におびえながらも受付へ。
奥さんはすっかり落ち着いていて、てきぱきと受付をすまし基礎体温の記録を提出して、内診用スカートという紙製の検査衣を購入。番号札をもらって待合へ。待ってる間に問診票を書いていきます。
えー不妊の相談に来ました。
結婚したのは…西暦で言ったら何年になるんだっけ?
夫婦生活は週何回。そうか、そんなことまで聞かれるのか…
問診票を提出。
「では順番がくるまでお待ちください」
待合室。あたりを見回してみると…
やっぱりほとんど女の人。みな一様に下を向いて雑誌読んだりケータイいじったり。男の人は…ボク入れて2人か。もう一人は結構オジサンだな。
でもそんなに居心地は悪くない。花柄ピンクじゃないし、雑誌はフツーの地域情報誌とか「犬の気持ち」とか(「VERY」はあったけど)。
トイレは…さすがに座ってしてくださいだな(-_-;)。
ふとみると張り紙が。
「診察室にはどうぞご夫婦でお入りください」
うん、やっぱり来といてよかったな。
そんなこんなでソワソワしていると「○○番の方、診察室にお入りください」。
キタ。
診察室にはいかにもベテラン然とした落ち着いた雰囲気のナイスミドル。
問診票を見ながら
「こんにちは、院長の○○です。えーっと、ご結婚されて3年以上、お子さんができないと。基礎体温はちょっと持ってきてもらったのでは縮尺がアレだけど…。まぁだいたい規則的ですね。フムフム。それではまずは奥さまの内診をさせていただきますね。内診室からお呼びしますので待合でお待ちください」
あちゃー。
基礎体温、縮尺アレだった…。6が月分まとめて1シートにしてしまったが、正解は1か月1シート!(そういえば基礎体温表ってそうなってるもんね)。はずかしー。
それにしても基礎体温、ボクがみたら結構なガタガタグラフで、どこが低温期だか高温期だかわからんように見えるけど…。やっぱりプロがみればわかるんだな。餅は餅屋。
内診を待つこと数分。さすがに奥さん、緊張のおももち。
「○○番の方、内診室へどうぞ」
ナプキンだとか内診スカートだとかが入っているのであろうポーチをもって。
「いってくるね」
「うん、がんばって」
奥さんが横にいない待合室はなんだかすごく心細くて、ひどくソワソワして、すごく時間が長く感じました。
数分後奥さんが出てきました。つらそうでも楽しそうでもなく、ほぼ無表情。
「痛かった?」
「ううん、そうでもなかった」
苦痛があるわけではない。でも気分がいいものでは決してない。
そんな印象を持ちました。
再び診察室。さっきの先生。
「うん、診たところ子宮には全く問題ないですね。引き続きいろいろ検査していきましょう。えーっとこれからの流れをざっとご説明しますね。」
オリエンテーション。
もうしばらくホルモンだとか、造影検査だとか、男性不妊検査だとかをして、不妊の原因がわかればそれを治療していくこと。
原因がわからなければ妊娠率があがるような方法を順番に試していくこと。
この病院の方針としてはなるべく自然な治療法からはじめて行って、徐々に高度不妊治療に移行する方針であること(いわゆるステップアップ法ですね)
「それでは今日はとりあえず採血して帰ってください。次回は(カレンダーみながら)生理がこの辺で、排卵がこの辺だから・・・○日ごろいらしてください。次から基礎体温はお渡しする基礎体温表に書いて持ってきてくださいね」
「なにかご質問はありますか?」
「(奥さんに)なにかある?」
「ううん、大丈夫」
あ!そういえば基礎体温グラフ作る時!
「基礎体温測り忘れた日があったりして、グラフの点と点が離れてしまってたら、線で結ばないほうがいいですか?」
「どっちでもいいですよ(笑)」
はじめての不妊検査、終了。
「08.男性不妊」へつづく