07.コウノドリ

 

妊娠中の同僚の女性と話していた時のこと。

 

「ここ村さんの奥さんもオメデタなんですよね~?“コウノドリ”観てます?すっごく面白いですよ(^^♪」

 

え!?マジ?あなた妊婦でしょ?

どうしてあれ観れるの!?

 

コウノドリ」は総合病院の産婦人科を舞台とした医療マンガ。ちょうどこのころ綾野剛さん主演で実写化されたドラマが放送されていました。

コウノドリ(1) (モーニングコミックス)

妊娠、出産は当の本人にとってはドラマチックで感動的なものであるが、周りが見たらそうでもない。それをドラマ仕立てにするためには当然…何かの事故やトラブルが必要になる。

 

ボクは不妊治療中に原作をちらりと立ち読みしたことがある。始まって2,3ページで常位胎盤早期剥離で妊婦さんが運ばれてくるシーン。もうボクはその時点で読むのをやめた。当然ドラマも観てない。

 

彼女はどうしてそんなドラマが観れるんだろう?それはもちろん、そんなこと自分には起こらないと思えるからでしょう。

 

彼女はまだ20代で、結婚してすぐに妊娠したそうです。9ヶ月目までのんびり仕事してそのあと産休に入るんです~、とか言ってた。彼女にとっては順調に妊娠が継続して、元気なかわいい子が産まれるのはきっと当たり前のことなんだろう。多くの人がそうであるように。不妊治療を始める前のボクと奥さんもそうであったように。

 

でもボクたちにはちっとも当たり前じゃない。

そんな珍しいこと自分には起こらないなんて思えない。

 

ボクたちはずっとずっと不安におびえてきた。

人工授精しているときはまた生理がやってきてしまう不安。

体外受精しているときはうまく採卵できるか、うまく受精するか、ちゃんと着床するかの不安。

着床したらしたで流産しないかの不安。

そしてうまく妊娠が続いているときでも、このまま元気に産まれてきてくれるか、何か予期せぬ事故が起こらないかの不安。

 

で、無事産まれてくれたら、そこからまた親としての人並みの不安がはじまる。おっぱいはちゃんと飲んでくれるか、夜はちゃんと寝てくれるか、ケガや病気をしないか、アレルギーはないか、学校でいじめられてないか、勉強にはついていけてるか、受験はうまくいくか、まともな職についてくれるか…。

 

あーもうきりがない!!

ボクたちは子どもが産まれる前に普通以上の不安とたたかったんだから、産まれた後はちょっとくらい免除してくれてもいいんじゃないのか!神さま、あまりに不公平じゃないか!

 

…いや、お前の気の持ちようだといわれればそうなんですけどね。不安な分、よろこびも大きいでしょ?って言われればそうかもしれませんけどね。不安になってもならなくても結果は同じなんですけどね。むしろ奥さんのカラダ的には、不安になりすぎてストレスになるほうがよくないんでしょうけどね。

 

わかってるんです。でもこれだけ苦労したんだから、なにか特別なご褒美でも…とか思っちゃうんですよ。だって人間だもの。

 

まぁ…要するにグチですよ、グチ”(-“”-)”。

でも不妊治療中に比べればずっとずっと、幸せなグチ…なのかな?

 

 



 

08.命名」につづく


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