タイミング法はご存知の通り、ちゃんと検査で排卵日を確認して
じゃあこの日あたりがチャンスですからしっかりがんばってくださいね~
てな治療法。
結局はsexして受精させるわけなので、治療法というよりちょっとしたアシストという感じ。健康保険も効くしまぁ自然な、比較的お気楽な方法。
このころのボクたちは最初のステップとしてタイミング法の不妊治療をはじめてはみたものの、お互い仕事もそこそこ忙しくバタバタとしていたため、毎月ではなく時間に余裕がありそうな月をえらんで治療を受けていました。ならすと2か月に1回くらい。
別に不妊治療に消極的になっていたわけではないんです。なんというか…
大げさに考えたくない
という感じでした。
周りの人にも話してなかったし、もちろん職場にも話してない。
仕事でムリしてまで、職場に迷惑をかけてまですることではない
といった感じで。
ボクたちにとって不妊治療は生活や意識のなかでまだまだ小さな、あくまで人生のオプション的な存在でした。
とは言え、いつも頭の片隅にある。
ましてやはじめての不妊治療。
勇気を出して、あんなに検査も受けて。
ボクたちがんばってるんだから…。
正しいことやってるんだから…
いやがおうにも期待してしまう。
大丈夫、これでうまくいくだろうと。
この時期の妊娠判定は単に「生理がくるかこないか」。
予定日が近づくにつて、徐々に緊張感が高まっていきます。
3日前。2日前。1日前…。だんだんとそのことを口にしなくなっていきます。
意識しないように
期待しないように
本当はものすごく意識している。奥さんもきっとそうだと思う。でも口にすると一気になにかが崩れてしまいそうな気がする。
生理予定日当日までくると…奥さんからのメールが、電話が、帰ってから会うのが怖い。家にいるときは奥さんがトイレに立つたびにドキッとする。「来ちゃった」におびえる。
何日もかけて積みあがってしまった期待感が、あっという間に崩れる。
「また次だね」
そんなことを治療の回数とぴったり同じだけ、繰り返していくのでした。
「12.35歳。人工授精」へつづく