14.ココ

 

病室に、透明なアクリル製の

ベビーベッドが運ばれてきました。

 

 

真っ白なベビー服を着た、

小さな小さな赤ちゃん。

 

 

ココでした。

 

 

あぁ。

あぁ、ココ。

やっと会えたね。

ボクがトトだよ。

きみのトトだよ。

ずっとずっと、会いたかったよ。

 

 

はじめて見るココは

とてもちいさくて

とてもか弱くて

とても頼りなくて

とてもとても

いとおしかった。

 

 

ボクはココを抱きかかえて、

まだ酸素マスクを着けたままの

奥さんの枕元に連れて行きました。

 

 

ココ、ママだよ。

ココのこと、ずっと

おなかの中で守ってくれてたママだよ。

ココのことを

一番大事にしてくれてたママだよ。

 

 

奥さんも手を伸ばして、

いとおしそうに

ココに触れました。

 

 

この時の病室での写真が何枚か残っています。

ボクも奥さんも、泣いたり悲しそうな表情は一切していないのです。ただただ穏やかな、しあわせそうな表情をしているのです。

 

もちろんココがもう生きていない、動くことも泣くこともないことは悲しかった。

でもなにより、ココに会えて、ココに触れて、ココを抱いてやれることがその時はうれしかったのです。とてもとてもしあわせだったのです。

 

 

ココはまぎれもなく

ボクたちの天使でした。

 

 

 

次回は「15.病理解剖

 

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