採卵も無事終わり、その後の受精も予想以上の結果。でも移植を待つ間、奥さんの不安は少し大きくなってしまったようです。
「たしかに7つも胚盤胞まで育ってくれたけど、全部グレードBだったよね。Bだと着床率って2,3割しかないらしいから、やっぱりうまくいかない確率のほうが高いんだよね…」
なるほど、グレードごとの胚盤胞の着床率*は
AA、AB、BAの場合:約50%
BBの場合:約30%
BC、CBの場合:約25%
CCの場合:約5%
BBだと3回に1回、BCだと4回に1回しか成功しないのか。でも…
「大丈夫。ほぼ確実にうまくいくよ。ボクの計算では今のボクたちが妊娠できる確率は88%もあるんだから」
「なにそれ?どういう計算???」
解説しましょう。
7つの胚盤胞でボクたちが妊娠できる確率、つまり「胚盤胞7つのうち1つでも着床する確率」を求めるには、その逆、「7つとも着床しない確率」を求めればよい。まぁ考えたくもないけど計算上必要だから仕方ない。
ボクたちのタマゴは現在グレードBBが2つのBCが5つ。
BBの着床率は30%。逆に言えば着床しない率は70%。BCだと75%。うーん、こうしてみるとやっぱりうまくいかないような気にもなる(;^ω^)。
でも例えば最初のBBが着床できなかったとする。その確率は70%。
では次のBBも着床できない確率は?70%が2回続けておこる確率は70%の2乗。つまり0.7×0.7=0.49。49%。
おや?BB2つでも妊娠できない確率は49%。つまり妊娠できる確率は51%だからこの時点で妊娠できる確率のほうが高くなった!
さらにBC5つも着床しない確率は?0.49×0.75(75%)の5乗=0.12。わずか12%。ということは…
今のボクたちが妊娠できる確率は88%!
という計算になります。
もちろん、実際にはいろんなバイアスを考慮する必要があるのでこんなに単純ではないのでしょうが。
「なにそれ?そんなにうまくいくの(笑)?うん、でもちょっと安心した」
理系男子が理系アタマを使って奥さんにほめられる。
それは至上のよろこびなのでした(*’▽’)*。
*1 複数のキュレーションサイトを参考していますが、数値は不正確な可能性があります
次回は「24.え!妊娠した!」です
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