ボクたちは揃ってとれた連休を利用して1泊2日の小旅行を計画しました。
でも…
ダイチが死んで間がないのに
悲しみはちっとも無くなってないのに
その傷を旅行で癒して
元気になろうとか悲しみを忘れようとか
そんなことが許されるんだろうか
そんなことして
ダイチが嫌がらないだろうか
ボクがいないのになんで楽しいの?って
寂しがらないだろうか
そんなの罪悪感と迷いを抱えながらもボクたちは旅行に出かけました。
旅行は楽しかった。貸し切りの露天風呂に入って、ちょっと贅沢なご飯を食べて、朝日のあたる海岸線を2人で歩きました。たくさんダイチの話をしました。
ダイチはすごくがんばったよね
ダイチが来てくれてうれしかったね
ダイチのお陰でボクたち妊娠できるってわかったよね
ダイチは…いい子だったね
もちろんつらいことには変わりない。
でも誰も悪くない。
今はダイチには感謝の気持ちしかない。ボクたちの子供になってくれたことへの感謝。
この旅行は何もつらい気持ちを晴らすためのものじゃない。
悲しさを忘れて元気になるためのものじゃない。
ダイチが来てくれてどんなにうれしかったか。
ダイチがいなくなってどんなに悲しかったか。
それをまたいつでも思い出せるようにするきっかけ作りだったんだな。
これはダイチのための旅行だったんだな。
と、今では思います。
お坊さんにも教わったこと。一番大切なのは「忘れないこと」。
正直、今でもその旅行で撮った写真を見ると胸が痛くなります。流産の日のことを鮮明に思い出します。でもそれもダイチの思い出の一つとしてずっと大切に残しておきたい。あの時旅行に行ってよかったとボクは心から思っているのです。
次回は「30.2度目の胚盤胞移植」です
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