36.テディベア争奪戦

 

前回前々回のつづき

 

そしてついに即売会がはじまりました。

 

「整理番号1番の方~」

1番のはがきを持った女性が前に出る。

選んだのはなんと…

いきなり小さいほうのウサギ!!

 

「あぁ…ココ…」

 

思わず声が漏れたボクを奥さんが制する。

 

「大丈夫、まだもう1体残ってるよ」

 

それでも敵(違うけど)はまだ6人もいる。誰か1人でも残り1体を選んでしまったら終わりだ。

 

2番、3番。やっぱりかわいい熊から売れていく。意中の熊が売れてしまった人のため息が、あちこちから聞こえる。

 

4番目はちょっと変わった雰囲気の女性。まずい。こういう人はシンプルに熊にいかないんじゃないだろうか。

 

予感的中。

 

4番さんが選んだのは熊ではなく…鳥!

「おぉっ」と小さな歓声があがった。ふードキドキさせやがる。

 

5番、6番は熊を選んでくれた。あと1人。あと1人だ。

 

「では7番の方~」

出てきた7番の女性。スッと熊を手に取る。よっしゃ!

でもしばらくその熊をいろんな角度から眺めて…もとに戻した。

 

あれ?

 

そして次に手に取ったのは…

なんとあの大きいウサギ!

 

あぁっ!ココ!危ない!

 

ウサギのこともいろんな角度から眺める。値札を見て、さっき置いた熊と見比べる。

 

あぁお願いです迷ってるなら熊にして50対50なんだったら熊にしてボクたちは100対0でウサギなのですしかもちょっとワケありでどうしてもこのウサギが欲しいのですあぁだから熊にして。

 

奥さんと祈る。祈る。祈る。

 

熊か?ウサギか?

最後7番さんが選んだのは…

 

 

 

 

熊!!

 

 

やった!ウサギ残った!ココ残った!やったやった!

 

「では8番の方~」

と呼ばれるより早く、奥さんは飛び出してココウサギを抱きしめていました。あちこちから、ひときわ大きなため息が漏れていました。

 

 

こうしてボクたちは、ココそっくりのウサギのぬいぐるみを手に入れ、家に連れて帰りました。

もうココと同じサイズでもなければ熊ですらなく、当初のメモリアルベア計画はどこへやら。

それでもココが帰って来てくれたみたいで、そしてこれからずっと一緒にいてくれるみたいで、ボクたちはその子を抱きしめて、また少しだけ泣きました。

 

 

 

さて、お気づきの方もいらっしゃるかも知れません。このブログのプロフィール欄にいつも写っているのが、その時のココウサギです。ココそっくりなこの子は、ある時はココのお骨を見守り、またある時はボクたちの膝の上や布団の中で、今日もボクたちを癒し続けてくれているのです。

 

 

 

次回は「37.さくら

 

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