3度目の胚盤胞移植、その判定日。尿検体を提出した奥さんと待合へ。
フライング検査は正直よくわからない結果だった。結局、今日この判定がすべてだ。
過去2回の経験からわかっている。
陽性なら内診室から、陰性なら診察室から呼ばれる。ボクは内診室のドアをにらみつける。
しかし…呼ばれたのは診察室。
「ん~前回*と同じ感じですね。着床はしているけど、反応がすごく弱いです。前回ここで引っ張ってもダメだったので、残念ですが今回はここであきらめましょう」
だめだったか。不育症検査して、ちゃんと対策もしてたのに。
でも…忘れちゃいけない。いくら不育症の原因がわかったとて、
体外受精の着床率は20~30%程度**
流産の原因の8割は染色体異常***
要するに体外受精は着床するより着床しないことのほうが多いし、流産の原因のほとんどは不育症によるものではない。
そうだ、最初から高いハードルがあったんだ。
不育症の原因と治療法がわかったのはラッキーといえるかもしれないけど、結局一段上がったかに見えたハードルがもとの高さに戻っただけだ。
だから…何も落ち込むことじゃない。うまくいかない可能性が高いことをして、結果うまくいかなかったということだけだ。矛盾はどこにもない。
それに今回だって一応は着床してくれたじゃないか。すごいじゃないか。これで3回移植して3回とも着床まではいった。奥さんもタマゴたちも、きっといい調子なんだ。
大丈夫。まだタマゴは4つもあるんだから…。
そしてボクたちは4回目の移植の準備に入りました。移植日が近づくにつれ、とある予感が。
あれ、これは?
もしかして?
いやいや、そんなにうまくいくかね?
「うん、子宮内膜も順調に厚くなってきましたね。それでは○月×日を移植日としましょうか」
おぉ!キタ!!
なんと移植日は奥さん37歳の誕生日。奥さんが産まれた日に、ボクたちの子供がお腹に宿るなんてなんかスゴイ!
これは…今後こそは…
うまくいくような気がするぞ(ΦωΦ)…
*「30.2度目の胚盤胞移植」
**日本産科婦人科学会 ARTデータブック「平成 25 年度倫理委員会 登録・調査小委員会報告(2012 年分の体外受精・胚移植等の臨床実施成績および2014 年 7 月における登録施設名)」
***厚生労働省研究班「Fuiku-Labo」
次回は「39.誕生日移植。そして…妊娠!!」です