41.それから

 

仕事中のボクに奥さんからのLINE。添付された画像に写っていたのは、陽性反応の出た妊娠検査薬でした。

 

あ、奥さんめ!勝手にフライングしたな!

 

すぐに電話。

 

「ボクが帰ってから検査するっていったじゃん”(-“”-)”」

 

「ごめ~ん、ガマンできなかったの。ね、陽性でたね!」

 

うん、ほんとだ。陽性だ。

うれしかった。でも不思議と驚きはありませんでした。

 

 

ココが産まれてちょうど1年が経つころ、ボクたちは5度目の胚盤胞移植に臨みました。

その頃のボクたちはごく自然に、こう考えるようになっていました。

 

ココに弟妹を作ってやりたい。

ココをお姉ちゃんにしてやりたい。

 

 

物事がこじれてどうしようもなくなった時は、一度リセットしてはじめからやり直してみると、ウソのようにうまくいくことがある。

 

そんな気がしていた。次の妊娠は、きっと拍子抜けするくらいアッサリとうまくいくんじゃないか。大した根拠はないけど、ボクはそう思っていた。

 

だって今度は、ココがいるもの。

ココが守ってくれるはずだもの。

 

だから、もうそんなに怖くない。

きっと大丈夫。

 

 

そして迎えたクリニック判定日。

待合で待つボクと奥さん、そしてバッグに隠れたココのぬいぐるみ。

過去4回の経験からわかっている。

陽性なら内診室から、陰性なら診察室から呼ばれる。

 

そして…

 

 

 

「ここ村さん、内診室へどうぞ」

 

うん。

 

「行ってくるね」

 

「がんばって」

 

いつもよりずっと軽やかな足取りで、奥さんは内診室に消えていきました。

 

 

 

次回は天使のはなし最終回「42.レモン

 

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