大きなお世話

 

仕事関係のとあるプロジェクトのために集められたのは、ボクを含めて同年代の数人。部署が違うから普段は顔を合わさないけど、若いときからよく知っている気の置けない仕事仲間たち。

 

プロジェクトの会議が順調に終わって、みんなで居酒屋で打ち上げしてた時、そのうちの一人が最近結婚した話になりました。彼と奥さんは海外旅行が趣味で、結婚前からいろんな国に行っていたらしい。新婚旅行はどこどこに行ったよ、なんて話していたので、それじゃ次はどこ行くの?と尋ねてみたら、彼はこう言いました。

 

「いや、しばらく海外は辞めとくよ。子作りに専念したいんだ」

 

聞けば奥さんは34歳。お酒が入っていたこともあって、ボクはちょっと余計なことを言ってしまった。

「しばらく頑張ってできなかったら、病院で検査だけでもしたほうがいいよ」

 

すると彼は渋い顔をして

「そうだなぁ。でももし不妊治療とかってなると、障害のある子ができやすいっていうだろ?そこまでしてなぁ」

 

ボクは少しカチンと来て、ムキになって言ってしまった。

「不妊治療で障害が多いなんて、そんなデータないよ!それより高齢になってからの妊娠のほうがよっぽど大変だし、リスクも高いんだって!」

でも彼は「ふ~ん」と、あまり真にも受けていない様子だった。

 

なんかちょっと…みじめな気持ちになった。

 

 

よくよく考えてみたら、世の中には不妊症というものがあり、そのための病院もあることなんて今時誰だって知ってる。不妊治療と障害は関係ないとか、34歳は妊活を始めるには決して早くないこととかも、ちょっと調べればすぐにわかる。

 

でも彼がそれを知らないのは、要するにたいして興味がないからだ。まだ真剣に悩んでないからだ。

だから人に何か言われたって聞く耳持たないし、多分ただうっとうしいだけ。つまり彼にとってボクのアドバイスは「おおきなお世話」でしかなかったわけだ。それをボクはちゃんと見極めるべきだった。

 

言い方も悪かった。「検査受けたほうがいいよ」じゃなくて、「ボクは検査受けたよ」と言うべきだった。ボクはその経験があるよ、ということだけ伝えれば、必要に応じて相手は情報を取りに来る。ボクも自分が知っている情報を押しつけがましくなく提供できる。そのほうがお互いずっと気分がいい。

 

ボクだって不妊治療に関してはなかなかのベテランだから、普通の人よりずっと知識も多いし、自分なりの反省点もある。もし妊活を始めたばかりの頃に戻れたらもっとうまくやれるのにと思う分、今現在悩んでいる人やこれから不妊治療を始めようという人にはいろいろアドバイスしたくなってしまう。

 

でもたとえ良かれと思ってだとしても、そこはうまく言い方やタイミングを考えないと、結局どちらも不愉快な思いになるだけで終わってしまう。おおきなお世話。あるいは単なるおせっかい、という話。

 

別に不妊治療に限った話じゃないけど。とにかくいい勉強になりました。

 

 

 

次回は「忘れてもいい」です

 

 


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