風船

 

小さな子どもと暮らすということは、ふわふわ浮かぶ風船を持っているようなものだと思う。

 

希望と未来に満ちた風船。放っておくとどこかに行ってしまうから、いつもしっかり手に持っておかないといけない。片手が塞がれてしまうことは煩わしいけれど、それでも不可解に動く風船の動きを見ているのは、とてもおもしろい。

 

でもその風船をつなぎとめているのは太いロープではなく、細い細い糸だ。気がつかないうちに手の中からするりと抜け出してしまうことを、今でもどこか怖れている。

 

そしてボクのもう一方の手に、破れた風船を持っている。パンパンに膨れて、浮かび上がるその直前に破れてしまった風船を、ボクは大切に持っている。