(再掲)不愉快な出来事

 

「確率が低い不愉快な出来事は起こらないが、確率が低くても愉快なことは起きる」

 

経営学の教科書*にこういう言葉があるそうです。なるほど、人ってそういうふうに考えがちですよね。

 

だからこそ、確率的に当たるはずもない宝くじをつい買ってしまう。

だからこそ、それでも自分は乳がんにはならない、と思ってしまう。

 

「彼女」が亡くなったことは本当に不幸なことだった。彼女はちゃんと検診を受けていたし、専門医の診察も受けていた。それでも、見逃されてしまった。残念ながら医療はやはり完璧じゃない。

 

でもだからといって検診を受けても意味がないということでは決してない。一昨年1年間の乳がん検診では、市町村が実施したものだけでも、実に7000人以上の方の乳がんが発見されている**。病院で自発的に受けた人も含めれば、本当はもっとたくさんいるはずだ。そして乳がんは、ちゃんと早期発見できれば“治る”病気だ。

 

検診を受けよう。

乳がんに対して正しい知識を持とう。

 

市町村で実施する検診は2年に一度。でも多くの専門医は1年に1度の検診を勧めている。市町村の案内に頼らず、自分で毎年時期を決めて受けに行くようにしよう(例えば誕生日ごろとか、結婚記念日のころとか)。

40歳未満の人、デンスブレストの人はマンモグラフィだけでは不十分なことがある。できれば超音波検査のオプションをつけよう。

同年代の女性同士で、情報を共有しよう。検診受けてきたよ!あの病院、よかったよ!とお互いに発信していこう。

家族に乳がん経験者がいる人、出産経験がない人、初産年齢が高い人、授乳経験がない人は発症リスクが高いことに注意しよう***。

男性は自分のパートナー、母親、姉妹たちが検診をうけているか確認しよう。「家族のために」ちゃんとうけてもらおう。稀ではあるけど、男性も乳がんになることがあることは知っておこう。

 

他人事みたいに同情している場合じゃない。彼女と彼女の家族たちは、乳がんと戦うことがどれだけ苦しいことなのかをずっと発信してくれていた。ちゃんとキャッチしよう。自分のこととしてしっかり考えて、すぐに行動に移していこう。

 

*2017年6月29日掲載記事の再掲です。

 

*「意思決定能力―経営におけるシステム的アプローチ」 アルフレッド・リチャ-ド・オクセンフェル著 産業能率大学出版部

**平成27年度地域保健・健康増進事業報告の概況

***日本乳がん学会 患者さんのための乳がん診療ガイドライン←こちらのサイトは乳がんに関する情報が豊富に、とてもわかりやすく記述されています。ぜひ読んでみてください。