ダウン症の彼

 

通勤電車で時々見かける男性。歳はよくわからないのだけど、いつもオシャレな服装で(チェックのハンチングが特にいい)気分よさそうにイヤホンで音楽を聴いておられる。お顔から察するにその方はおそらく、ダウン症の方だろうと思う。

 

混んでいる車内では座らずにスミに立っているし、座っているときも誰の邪魔になるようなことも、迷惑になるようなこともなさらない。少なくともこの電車の中という公共で、この方の存在で困っている人は一人もいない。一人も。

 

コウノドリ2」でも取り上げられた出生前診断。確かに賛否両論あっていい。産まれる前から21番染色体の数が違うと分かれば、親には選択する権利があり、それを選ばざるを得ない事情がある人もいる。そしてもちろん、その当事者にしかわからない感情がある。

 

でももしそうすることが当たり前の社会だったら、この方は産まれることを許されなかったのだろうか。今、彼は目の前にいなかったのだろうか。それを考えるとボクはやっぱり、少しモヤっとした気持ちになる。誰が悪いわけでもないのだろうけど。