23.エピローグ

 

生後5日目、べべには5000~1万人に1人という先天性の病気が見つかり、搬送先の大学病院で緊急手術を受けます。

 

真夜中の手術待合室で、ボクは思いました。

 

あぁ、まだ終わりじゃないのか。

 

 

不妊や不育に悩む人に、妊娠・出産はゴールじゃないなんて意地悪なことをいう人がいる。

 

そんなわけない。

不妊に悩む人にとって、妊娠はゴールだ。

流産・死産におびえる人にとって、出産はゴールだ。

ただそのゴールを迎えたからと言って、あらゆる不安や悩みがなくなるわけじゃない。

 

新しい局面には、その局面なりの不安や悩みがある。

あいかわらずボクたちは、それと向き合ったり、おびえたりしながら日々をやり過ごし、その中で何とか喜びや幸せを見つけようとする。たぶん、ずっとそういうものなんだろう。

 

ありがたいことに手術は無事成功し、べべは大きな後遺症を残すこともなく退院することができた。でも命が繋がった子と、そうでなかった子の違いがどこにあったのか、ボクにはわからない。

 

 

不妊や不育、流産、死産。振り返ってみればこうした経験で得たものはたくさんあるけど、だからよかったなんて思ったことは一度もない。そうじゃないほうが、そりゃよかった。

ボクは自分より仕事や才能に恵まれ、それでいて苦も無く子どもを授かった人を何人も知っている。人生なんて不公平なものだから羨む気持ちは無いけど、客観的に見れば、やっぱりボクたちは人より不幸な目にあったのだと思う。でもそう考えることに、なんの意味があるんだろう?

 

 

いま、ボクには守るべき家族たちと、大切で愛おしい記憶がある。

 

客観的とかどうでもいい。

 

ボクは自分を、とても幸せな男だと思うようにしている。

 

 

『虹のこども』おわり。

以降はシリーズ「天使パパの呟き」にまとめています。

 

 

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