忘れてもいい

 

信頼する職場の先輩と話していた時のこと。話の流れでボクが子供を亡くしていることを告白しました。

 

「…そうか、何か月で亡くなったんだ?」

「40週、お産の最中に亡くなりました」

「実はな、ここ村。俺も次男を亡くしてるんだよ。つい先日、13回忌を終えたところだ」

 

そんなこと、全然知らなかった。

3人の男の子を連れて、土日は野球、連休にはキャンプ、夏は海水浴、冬はスキー。年中日焼けした、絵にかいたようなアウトドア派のナイスパパ。そんな先輩が初めて教えてくれたことでした。

 

先輩のお子さんは21週、わずか500グラムの超早産児として産まれ、7か月後に亡くなったそうです。

 

「ここ村も今は子供のことばかり考えてしまうだろうな。俺も最初はそうだったけど、上の子もいたし、しばらくして次の子もできたから毎日バタバタしていて、気づいたら “あ、今日はあの子のこと忘れてた!ごめんね~” って感じになった。ここ村も、きっとそのうちそうなるよ」

 

あの子が亡くなってからの1年半、もちろんボクは1日だってあの子のことを忘れたことは無い。それでも1年半前に比べれば確実に、そのことを考えている時間は少なくなっている。次の子うんぬんに関わらず、いつかはボクにだって “今日は忘れてた!” となる日がくるだろう。そんな時ボクは申し訳ない気持ちになったり、愛情が足りていないのかと情けなくなるに違いない。

 

でもよく考えたらそんなこと思わなくていいのかもしれない。

 

4歳の姪っ子は保育園の前まで送ってやると、車から飛び降りて一目散に保育園に駆け込んでいくそうだ。一度も親の方を振り返ったりなんかしないらしい。たぶんそこにはちゃんとその子なりの世界があって、そこにいるときは親のことなんか構っちゃいられないんだろう。

 

ボクは、あの子は天国の保育園でたくさんの友達に囲まれていると信じている。そこで遊びに熱中しているときには、あの子だってボクたちのことなんか忘れてしまっているのかもしれない。だから少々ボクたちがあの子を忘れている時があったってお互い様だ、なんてのは都合がよすぎるかな(笑)。

 

でもいいのです。忘れ去ってしまうことは絶対にないから。大切な家族であることは、いつまでも変わらないことですから。

 

 

 

次回は「泣きたいときにきく音楽」です