20.ヘパリン最後の日

 

プロテインS欠乏症のために1日2回、毎日自己注射していたヘパリンは、主治医の先生の指示で36週でストップすることになりました。妊娠が分かった4週目から始めたから、合計は400本以上。ココの時と合わせると全部で1000本近く!注射したことになる。

 

不安とか悲しさではない、単純な肉体的苦痛。一度耐えても、半日後にはまた必ずやってくる痛み。大変なストレスだったと思う。それを一度も嫌がったりせずに受け続けてくれていた奥さんには、ただただ感謝しかありません。

 

薬の準備をして奥さんのお尻に注射をうつのは、妊娠中にボクができる数少ない仕事の一つ。ほんの小さな仕事だけど、それでも何かに参加できることはボクの喜びでもありました。なるべく痛くないようにと、氷で冷やしてみたり、強くお肉をつまんでみたり、刺す角度を変えてみたり。奥さんと相談しながらいろいろ試行錯誤はしてみたけど、結局少しマシになるくらいで「ぜったい痛くない方法」は最後まで見つからなかった。要するに針が痛点を突くかどうかが問題なんだそうで、痛いか痛くないか、最後は運頼みという部分もあるらしい(プロの医療者がやっても痛いんだから)。

 

ヘパリン最後の日。

お尻を出して待つ奥さん。注射器に茶色い26G針をつける。空気を抜く。内出血してなくて、しっかりお肉がつまめそうなところを探す。アルコール綿で消毒する。しっかりつまむ。

 

「じゃあ、刺すよ」

「うん」

 

プス…

 

「…どう?」

「うん、今日は…痛かった」

 

最後だからって、神さまは別にサービスしてくれないらしい。ケチ神さまめ(。-`ω-)。

 

 

 

いつものように」へつづく