やまもとりえ 「ねこでよければ」第8回 (画像はHPより借用)
SNSを通じて知ったこの漫画のストーリーは、流産死産後の夫の気持ちを、とてもとてもうまく描き表していると思う(作者も流産経験者とのことなので、実体験に基づいたものなのかも知れない)。
「自分のことはどうでもいい。妻になんとか、元気になってもらいたい」
多分、ほとんどの夫がこう思い、行動する。
元気づけよう、前向きになろう、自分達に起こったことはそう悪いことではないと考えよう。
だからこそ時に虚勢を張り、何事もなかったかのように振る舞い、子どもがいなくても俺は大丈夫だよ、なんて言い出したりする。自分まで悲しんでいては、妻が立ち直れないと考える。
でも多分、本当に必要なのはそういうことじゃないと思う。
本当に必要なのは、素直に悲しみを表現することだ。正直に寂しさを言い表すことだ。自分も同じ気持ちだと、ちゃんと妻に伝えることだ。
自分の子どもが亡くなった悲しみ。
想像していた未来が無くなった絶望。
最悪のことが起きたのだという閉塞感。
やるせないきもち。
羨ましいきもち。
妬ましいきもち。
黒いきもち。
自分も同じだよと、ちゃんと伝えた方がいいと思う。
我が子を失った悲しみを乗り越える特効薬なんてあるわけない。だから、無理に元気づけなくていい。元気になんかなれるわけないことを、ちゃんと理解できていればいい。
そのうえで、一緒に悲しもう。一緒に泣こう。どうすれば天国のあの子が喜ぶか、一緒に考えよう。
多分それが、一番いいと思う。
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