マイホーム

 

増税前の影響だろうか。同僚の間で、マイホームの建設ラッシュが起こっている。

 

新婚ホヤホヤのある後輩は、どうしても2階に6畳の個室を二つ作りたいらしい。理由は「子どもが2人は欲しいから」。

 

ボクだってそう思ってたさ。子どもが2人は欲しいと思ってたさ。そしてそれは、当然、多くの人と同じように、何の問題もなく、当たり前にやってくる未来だと思ってたさ。

 

でも現実はそうじゃなかった。ボクたちは不妊に悩み、不育に悩み、そしていなくなった子どもたちのことを、その悲しみをずっと抱えて暮らしている。

 

子どもができること、その子が無事に産まれること。それが「奇跡」だと本当に理解できるのは、その奇跡が自分には起きなかったという人だけだと思う。だってそれは、ほとんどの人にとって「当たり前」なことが、実はちっとも当たり前じゃないと理解することだと思うから。そしてそう理解できるのは「当たり前」だったはずのことが、なぜか、自分には成し遂げられなかった人だけだと思うから。

 

不妊に悩む夫婦は15%。流産の確率も15%。死産は1%*。

言い換えれば、不妊に悩まない夫婦は85%。流産しない確率も85%。死産に至っては99%。

 

確率的に見れば、将来彼のマイホームの二つの6畳間が、二つの子ども部屋になる確率のほうがずっと高い。そして彼がそれを、「当たり前」だと思うだろうことも。

 

だから彼のマイホームの間取りについて、ボクが関心を持つ必要なんてまるでない。そんなことしたってどうせいずれまた、悲しくて、みじめで、やるせなくなってしまうだけだろうから。

 

*HUMAN+ 改訂第2版

日本産婦人科学会HP

NPO法人SIDS家族の会HP

 

 

 

 


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