ポラリス

 

忙しい。日々仕事に追われ、飛ぶように時間が過ぎていく。それでもボクとココとの時間はあの日に留まったまま、動き出すことはない。

 

流れる時間の中に留まりつづけるもの。ボクはポラリスのことを考える。

 

回る天体の中で北極星ポラリスが留まって見えるのは、もちろん地軸の延長線上にあるからだ。けれどそれは別に誰の意思でもない。ポラリスの意思でも、ましてボクの意思でもない。ただそうだというだけ。そうなってしまったというだけ。

 

亡くなった命が天に昇っていくのだとしたら、行き着く先はポラリスなのかもしれない。400光年離れた星に、ココはちゃんとたどり着いただろうか。そこからボクたちのことが、ちゃんと見えているだろうか。