こどもを死産で亡くしたその年、喪中はがきは出すべきか?
10月も終わりに近づいてそんなことに最近悩んでいます。
ネットでいろいろ調べてみると…やはり同様のお悩みがたくさん。
本当はAll ○boutみたいなところで専門家さんの意見が聞きたいところだけど、ぜんぜんみつからない。たぶん社会通念上とか一般的に儀礼的に、なんてルールはないということなのでしょう。
聞いた話では一昔前までは
「死産はなかったこととして扱いましょうね。早く忘れましょうね」
なんて考えが主流だったそう。そうだとすると死産で喪中はがきなんてまさかまさか!という感じでしょう。
でも現代の当事者であるボクはこういった考え方自体に少し違和感をおぼえる。だからしっかり考える必要がある。
ネットの知恵袋的なものでは、
「正月を祝う気にはならないので喪中はがきを出しました」
フムフム
「まわりに知られたくなかったからあえて普通の年賀状にしました」
なるほどね
「自分の気持ち次第です。私はペットのフェレットが死んだときも喪中にしたかった」
・・・いっしょにすんな。
まぁ結局は「あなたの気持ち次第で決めればよいのでは」という内容。そりゃそうだが。
日本郵政公社HP*によれば喪中の範囲は一般的に2親等まで。もちろんこどもは1親等。たとえ戸籍に載っていなくても、まぎれもないボクたちのこども。
離れて暮らす家族とか親戚とか親しい友達はいい。こどもが亡くなったことはもちろん知っている。その死をまだ悼んでいることを伝えるために喪中はがきを出せばいい。
仕事の取引先なんかはいい。そもそもが形式的な付き合いなのだからプライベートを持ち込む必要は全くない。型通りの年賀状でいい。
問題は中途半端な距離感の人たち。死産のことも、そもそも奥さんの妊娠のことも知ってるか知らないかわからない人たち。たとえば職場の同僚とか。
隠すつもりはないが、広く知られたいわけではない
さて、どうするか。
結局いろいろ考えたあげく、喪中はがきは出すことにしました。考えすぎてドツボにはまったときはできるだけシンプルに、何を最優先とするかを考えるようにしています。今ボクたちにとって最もシンプルな、最優先な感情。
「とても哀しい。だから人の年賀状なんか見たくない。特にこどもの写真なんか」
町行くベビーカー
かばんについたマタニティーマーク
紙おむつのコマーシャル
女優の○○妊娠!なんてネットニュース。
流産、死産の後は自分でも驚くほど敏感になります。いちいち感情がざわつく。
その人たちが悪いわけでは決してない。こどもを亡くしたボクたちを苦しめようとなんてまさか思っていない。でも、敏感すぎる自分を責める気はない。
誰だってきっとそうなると思うから。
だからボクは堂々と予防線をはります。
休日のショッピングモールにはいかない。
こどもが出てきそうなテレビをみない。
電車は優先座席からはなれた場所にのる。
そして、喪中はがきをだす。幸せそうな年賀状なんて送ってこないでねと。
こどもの名前は書かない。事情を知らない人にわざわざしらせる必要はないと思う。「喪中のため年賀のご挨拶ご遠慮もうしあげます」なんて極力シンプルなやつでいい。
あとでなにか聞かれたら…事情を話したい気分だったら話せばいいし、そうじゃなかったら適当にウソでもつけばいい。フェレットが死んだとか(笑)。その場の気分と話す相手で決めればいいや。
まぁボクに年賀状を送れないからといって誰かが困るようなこともないだろうし。人の年賀状なんかでムダに感情をざわつかせる必要なんかない。
うん、そうしよ。
*日本郵政公社HP「喪中はがき印刷と書き方」より
*2016年10月31日記事の再掲です。