手術の日のこと2

 

普通のものより頑丈で重々しい作りの保育器(ドクターカー用のものらしい)に移されて、べべは病室を出て行った。生後5日の子どもがこの状況を理解できているとはとても思えないけど、病室を出るときのべべは確かに、じっとボクたちを見ていた。とてもとても、不安そうな目をしていた。

 

ボクたちも外出許可をとって、その後を追うことにした。病院を出るときに、あの助産師さんが渡してくれたのは駐車場のサービス券。それが病院のルールに沿ったことなのかどうかわからないけど、何か力になりたいと思ってくれている気がして、とても嬉しかった。

 

大学病院までは車で約30分。初めて通る道なのに、カーナビの表示がわかりにくい。イライラ。焦り。不安。

 

病院の入り口には、先に到着したドクターカーが見えた。あれにべべが乗っていたんだな。不安そうな目をまた思い出す。

 

べべはNICUにいた。加温器や大きなモニターがついたベビーベッドがいくつもならんでいる。その中に小さなべべはいた。鼻のチューブ。何本かの点滴。あいかわらず元気はなかった。

 

担当の先生はとても柔らかな物腰の先生で、丁寧に今の病状やこれから受ける検査の説明をしてくれた。造影剤や放射線被ばくのリスクについて聞き、何枚かの同意書にサインして、待合室で検査結果を待つことにした。

 

1時間後、検査の結果が出た。べべは「腸回転異常症」という先天性の病気であること。そのために腸が捻じれる腸捻転を起こしており、食べ物が通過できない状態であること。すぐに手術をする必要があること。もしお腹を開けてみて腸が壊死していたら、壊死した部分を切り取る必要があり、そうなるとなんらか後遺症が残る恐れがあること。でもそうだとしても手術してもらう以外に、選択の余地なんかない。

 

手術の同意書。麻酔の同意書。入院手続きやら何やら。

たくさんの書類にべべの名前を書いた。まだ書き慣れていないべべの名前。

たくさん、たくさん。

 

 

 


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