異性の子どもは「小さな恋人」みたいだと言う人がいます。
一緒にいたい。
触れていたい。
笑ってほしい。
頼りにしてほしい。
世界で一番好きな男が、ボクであって欲しい。
ボクがココに思うことのほとんどすべては、なるほど、大好きな恋人に対して思うことと似ているかもしれない。では同性の子どもの場合はどうなんだろうか?
18週目の健診でわかった。やっぱりベベは男の子だった。
男の子か。うむ。男の子か。
ココが女の子だとわかったあの時とは少し違う感じ。ちょっとした緊張感。
もし女の子なら、ボクは情け容赦なくベロベロのデレデレになって甘やかし倒すだろう。しかし男の子に対してはそうはいかない。
ヒト属ホモ・サピエンス:オスの大先輩として、自分の培ってきた知識と経験をしっかり伝えてやらなければならない。威厳と尊厳をもった父親の振る舞いで、時に厳しく、時にやさしく、規律と礼儀と忍耐を教え込み、わが子を一人前の「漢(おとこ)」に育て上げなければならない!
…なんて言ったところで、そもそもボクが一人前の「漢」であるわけでなし、自分に無いものを子どもに求めるのもいかがなものかと思う。しかしボクが男として、べべの大先輩になることは間違いない。
よくわからないもの拾ってきたり、わけもなく走り出したり、わざわざ危ない道を通ったり。小さな男の子の奇天烈な行動は、ママさん方には理解できないものも多いかもしれないけど、男親のボクたちにはそれなりに理解できる。要するに男の子は「かっこいい」ものが大好きで、「かっこいい」ものにすごくなりたくて、「かっこいい」と褒めてほしくて仕方ないのです。そしてそれは実は、大人になっても大して変わらないのです。
だからべべが産まれたら、一緒にかっこいいことをいっぱいして遊ぼう。でもボクの方が先輩だから、いつもちょっとだけべべよりかっこよく決めてやろう。ちょっとだけ早く走って、ちょっとだけ高く飛んで、ちょっとだけ物知りでいてやろう。そして奥さんを思いっきり呆れさせてやろう。
きっと今度こそ、そんな日がやってくるはずだ。うん、楽しみ楽しみ。
「09.4人家族」へつづく