子供向けのテレビ番組には、ときに驚くほど示唆に富んだセリフが登場する。何気なく見ていた「きかんしゃトーマス」のはなし。
主人公は、大好きな親友が遠くに行ってしまったことにとても落ち込んでいます。その親友のことを早く忘れるように、思い出して悲しくならないように、主人公はシャカリキに働きます。でもがんばるあまり、主人公はミスを犯してピンチに立たされます。そんな中、主人公は親友からかけられた言葉を思い出し、勇気を奮い起こしてそのピンチを脱します。
無事に帰ってきた主人公を同僚たちは称賛し、こんな言葉をかけました。
「よくやったな。どうだい、もう親友のことはすっかり忘れられたんじゃないのかい?」
そんな同僚に主人公はこう返しました。
「彼のことを忘れようとするのはやめたんだ。だって彼のことを思い出すと、ボクはとても幸せな気分になるからさ」
無くなったことを嘆くより、在ったことを喜ぼう。胸がギュっとするようなセリフだった。