果実のない木~アフリカの不妊事情

 

少し前にテレビでやっていた「果実のない木」というフランスのドキュメンタリー番組が、なかなかに衝撃的だったのでご紹介します。

 

舞台は西アフリカ、ニジェール共和国。この国では女性はこう扱われています。

 

女は樹木。夫を休ませ、果実を実らせる。

 

不妊に悩む女性アイチャが訪れたのは、怪しげな呪い師。「子供欲しいのなら、鶏の子宮を乾燥させたものに鷹のなんちゃらをとなんちゃらを加えて煎じて飲みなさい」なんていう、ほとんど黒魔術的な”不妊治療”を勧められます。そんなものに頼らざるを得ない、途上国の未成熟な医療がうかがい知れます。

 

この国の女性をさらに苦しめるのは、イスラム教義に基づく圧倒的な男尊女卑思想。お産の時に病院に来る夫なんていない。妊娠するのは妻の仕事。男性不妊という概念はあるし病院で検査もできるけど、そんなの受ける男性はほとんどいない。

 

これにはこの国の、ある社会制度も関係している。

不妊をテーマにしたラジオ番組で投稿を寄せてくるのは意外にもほとんど男性。男性たちの悩みはこうです。

 

「妻に子供ができないので、別の妻をとろうかと悩んでいる」

 

一夫多妻制。結婚して子どもができなければ別の妻を、なんてことができてしまう社会。男性不妊を疑うより、女性を取り替えるほうが手っ取り早い。妻を4人替えても妊娠出来なくて、結局男性の無精子症が原因だった、なんて実例が示されているにもかかわらず。

 

妊活・不妊治療の啓蒙活動をしてる人なんかが見たら、怒り狂いそうなこの状況。でもきっと日本でも数十年前くらいは似たような状況だったんじゃないかなんて思います。子供出来ないから離婚、みたいなことは結構あったみたいだし。

 

それでも主人公アイチャはいろんな人と悩みを共有し、母になることだけが人生ではない、一人の女として自立して生きていこうと決心します。

 

観ていて少しホッとするのは、不妊に悩む女性同士がお互いの悩みに共感しあったり、サプリや人工授精の情報を共有するシーン。「妊娠できないと女としての自信がなくなる」「生理が来るたびに流産したかのような気になる」などの告白は、こういった不妊ブログでもよく目にすること。医療レベルや社会情勢が違っても、人が思うことってあんまり変わらないんだなぁと思います。

 

不妊に悩む女性には驚きながらも共感できる番組かもしれません。よろしければぜひ。

 

*番組動画はインターネットで見ることができますが、合法かどうかわかりませんのでリンクはしません(;^ω^)。「果実のない木 1101」などで検索して探してみてください。

 

番組冒頭5分程度、出産シーンが続きます。ご注意ください!

 

 

 

次回は「注目してます。」です